軽くふってみた。

アゴラ劇場
1997/09/18-21

回顧レビュー

ここに薄汚れた冊子があります。
『軽くふってみた。』と手書きで書かれた表紙。
手にとってほこりを払い、ボロボロのページをめくると
シーンの構成表が載っています。

ジローラモ・お茶・宗教・ジャグリング・馬場・すいか・天命殺・AV・ジョン・バナレパ・すごい回線…

なんだかてんこ盛りです。
そう、思い出しました。これは長い芝居でした。
一つのシーンも長ければ全体も長い、二時間の芝居。
当時(三年前)の単品開発は「間」が好きだったのです。
さらにページをめくってみると、
オープニングは
スクーデリアエレクトロで覇気なく踊り、
そして始まるのは
全編日曜の昼下がり
もしくは四六時中禅問答のような会話の数々。
今とはだいぶ趣向がちがいますが、それがまたよかったのです。

たしか最初に通し稽古をしたときは
余裕で3時間を越える事態になってました。
当時駒場にあった南ホールの厨房で
えんえん続けられる稽古。
そしてみんなで投票して、いくつものシーンを切ったのです。
3分の1近くを。
ふと思う。

…この構成表は合ってるんだろうか?

本番で何をやって何をやらなかったのかさえあいまいにさせるシーンたち。
うろ覚え。
そんな感覚こそこのお芝居の味だったのでしょう。

そういえば、この芝居は舞台にはなにも無かったけれど
頭上には無数の幕が吊ってありました。
幕はいろんな角度を向いていて
それがいくつか降りてくると舞台上にある区切られた空間ができます。
降りてくる幕たちのバージョンによって
舞台にできる空間はその都度ちがってくるというわけです。

一度もゲネ(本番仕様の通し稽古)をせずに本番を迎えたにも関わらず、
幕の昇降は滞ることなく正常に働きました。
偉大なりスタッフ。
が。
ついていけない役者は幕の餌食となりました。
シーンが転換するたびに暗闇のなかを

カラカラカラカラカラカラカラカラカラカラカラカラカラカラカラ

と、ものすごい勢いで降りたり上がったりするのです。
移動を間違えると頭を直撃することになります。
案の定、暗転中に何度か「ガコッ」という音を聞くことになりました。
幾度となく強打する頭。
うろ覚えの原因はこんなところにあるのかもしれません。

ちなみに旧単品開発サイトに
当公演のものものしいプロットが載っております。

*お気に入り*「こめかみやまいだーれ」(除霊)

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